プラスチック成形 ソリューションNaviを運営する東商化学は、バイオマス・生分解性プラスチックを材料とした射出成形品の製造・開発に取り組んでいます。樹脂製品の環境対応は、当社の使命であり、皆様と共に更なる研究開発を行っていきます。
生分解性プラスチックとは使用時は従来のプラスチック同様の性質と機能を維持しつつ、使用後は微生物の働きによって生分解され、最終的には水と二酸化炭素に完全に分解されるプラスチックです。一般的なプラスチックは紫外線や摩耗などで形は崩れますが分子構造は安定なまま微粒子となって長期にわたり自然環境に残ってしまいますが、生分解性プラスチックではそのようなことが起きない自然環境に優しい性質から今注目を集めています。
バイオマスとはトウモロコシ、サトウキビなどの生物由来の材料から作られる再生可能な有機資源であり、石油に依存しないプラスチックです。バイオマスプラスチックを焼却した際に排出される二酸化炭素は、原料となる植物などが成長過程で大気中から吸収したものであるために全体の二酸化炭素量が上昇しないという理由から、地球温暖化防止や化石資源への依存度低減にも貢献することが期待されています。
先述の生分解性プラスチックを使用した製品に表示することができる認証マークとして日本バイオプラスチック協会が認定するグリーンプラマークは、2021年7月から新たな名称「生分解性プラマーク」に変更となりました。現時点で、生分解性プラマークの認証を受けているアイテムは250アイテムを超え、主に農業や土木資材としてのフィルム、食品残渣(生ごみ)回収用の袋、食品包装資材などに使われています。近年、レジ袋やスプーン、フォーク、ストローなどのプラスチック製食品包装資材を削減する動きも高まり、当社におきましても認証マークの取得に向けて社内環境の整備を行っております。
生分解性バイオマスプラマークとは、生分解性プラの中で同協会のバイオマスプラ識別表示基準を満たす製品のみ表記が認められています。特にバイオマスプラマークの認証基準として同協会のPL分類Aに登録されたバイオマス由来合成高分子化合物を使用し、当該バイオマス由来成分が製品全体の25.0 重量%以上でなければなりません。こちらにおきましても認証マークの取得に向けて社内環境の整備を行っております。下記にPL分類表をまとめております。
分類番号 | PL区分 | 備考 | |
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A | 1 | 生分解性 | 分子量(Mn)1,000以上の生分解性合成高分子材料をいう。化学修飾されたデンプン系、ポリアミノ酸系生分解性高分子材料を含む |
合成高分子化合物 | |||
2 | コンポスト化可能 | 上記、A-1のうち崩壊性試験と植害試験にも合格した合成高分子化合物 | |
合成高分子化合物 |
原料名 | 原料の特徴 | 認証マーク | 対応実績 | 原料メーカー |
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PLA25%,HIPS75% | PLAが25%、HIPSが75%の環境対応材料。PLA(ポリ乳酸)を混合することで石油由来の原料を削減しています。また、HIPSの混合により割れにくく、高強度が求められる樹脂製品に向きます。コストについては、HIPSの割合が高く、比較的安価となります。加えて、通常のPS用金型との兼用が可能な場合が多く、金型コストを抑えることできます。 | バイオマスプラマーク | スプーン、フォーク、ナイフ、マドラー 等 | |
BioPBS | バイオマス度70%程度。産業用コンポスト条件での生分解性を有している原料となります。生分解性プラスチックの中で、耐熱性が高く繊維などとの相溶性も高い点が特徴です。他樹脂との混合材としての使用も可能な材料であり、ご要望に応じて原料提案・検証を行います。 | 生分解性バイオマスプラマーク | スプーン、フォーク、ナイフ、マドラー 等 | |
バイオPE25%,PP75% | バイオPEが25%、PPが75%の環境対応材料。バイオPEを混合することで、石油由来の原料を削減しています。当社でブレンドを行っています。コストについては、PPの割合が高く、比較的安価となります。加えて、通常のPP用金型との兼用が可能な場合が多く、金型コストを抑えることできます。 | バイオマスプラマーク | スプーン、フォーク、ナイフ、マドラー、計量スプーン 等 | |
ポリ乳酸(PLA100%) | ポリ乳酸(PLA100%)は、バイオマス度がほぼ100%の環境対応材料です。植物由来のデンプンや糖を原料とし、産業用コンポスト条件での生分解性を有している原料です。透明性が高い点が特徴となります。 | 生分解性バイオマスプラマーク | スプーン、フォーク、ナイフ、マドラー 等 | https://kobeseika.co.jp/ |
マスバランス方式PS | マスバランス方式のPSです。PSの特長である、軽量性や成形性をもち、環境に配慮したプラスチック製品の製造が可能です。環境配慮型のプラスチック材料の中で、製品化しやすい材質になります。 | ISCC PLUS認証 | スプーン、フォーク、ナイフ、マドラー等 | https://www.iwatani.co.jp/jpn/ |
マスバランス方式PP | マスバランス方式のPPです。PPの特長である、耐薬品性・耐水性・軽量性をもち、環境に配慮したプラスチック製品の製造が可能です。PPと同様に、多様な製品に応用可能です。環境配慮型のプラスチック材料の中で、製品化しやすい材質になります。 | ISCC PLUS認証 | 計量スプーン、化粧品容器 等 | https://www.iwatani.co.jp/jpn/ |
PP+澱粉 | 植物由来原料の澱粉を配合したバイオマスプラスチックです。 澱粉の配合比率は10%~50%と幅があり、用途・ご要望によって最適な配合比率にて成形します。 PPがベースとなっているため既存設備を用いて成形が可能であり、 設備投資等の初期コストを抑えることができ、かつCO2排出量の削減に貢献できます。 | バイオマスマーク | 計量スプーン、フォーク、ナイフ 等 | https://kobeseika.co.jp/ |
木粉+PP | PPと木粉を複合した環境配慮型のプラスチックです。従来の木粉+PPの材料から耐衝撃性を改善し、カトラリー以外に自動車部品などの工業用途への使用も見込めます。 PPがベースのため既存設備を用いて成形が行いやすく、初期コストを抑えることができ、早期安定生産も実現できます。 | ー | 計量スプーン、フォーク、ナイフ 等 | |
樹皮+PP | アップサイクルのプラスチック原料です。バイオマスプラスチックではありませんが、環境配慮型プラスチックとして期待されている原料です。廃棄される樹皮をPPに混ぜた材料となっています。 PPと混ぜることで、PP特有の耐薬品性、耐水性、軽量性を持ち、成形性も高いプラスチック原料と言えます。 使い捨てず、継続的に使用するマイカトラリーへの応用が期待されています。 | ー | マイカトラリー | |
米+PP/PE | PPやPEに破砕米など、廃棄されてしまう米を混ぜたアップサイクルのプラスチック原料です。 用途や求める機能に応じて混合することが可能です。当社は、プラスチックカトラリーのトップメーカーですが、米の混合率25%程度にて、成形することが多くなっています。 | ー | スプーン、フォーク、ナイフ、 計量スプーン 等 | https://www.biomass-resin.com/?op=0 |
プラスチック成形 ソリューションNaviを運営する東商化学株式会社は、食品・医療・化粧品・理化学用プラスチックにおける課題解決により、皆様に選ばれ続けてきました。当社が培ってきた成形技術とノウハウを用いたソリューション提供により皆様の困難なお悩みを解決いたします。